ノベルティを配布する際に気を付けたい景表法とは?

企業や商品のプロモーションで、ノベルティを配布することは効果的な方法のひとつです。
ノベルティをもらったことがきっかけで、企業や商品を認知させることもできますし、多くの企業がノベルティを販促品として使っています。
ですが、そのノベルティには景品表示法=景表法というのがあるのはご存知でしょうか。
今回はノベルティを制作・配布するなら知っておきたい景表法について解説します。

景品表示法とは


景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。
消費者の利益を保護する目的で、2つの項目で規制がなされています。

景品表示法の規制1.景品類


景品表示法の景品類は、過剰な景品を提供することを禁止している法律です。
法律によって景品の最高額やトータルでの金額を制限することで、消費者を強引に誘導することを避け、消費者が購入の判断を誤らないように定められています。

景品とは粗品、おまけ、賞品などのことで、物品はもちろん、旅行やスポーツ、映画などの優待券や招待券なども含まれます。

景品表示法の規制2.表示


景品表示法の表示は、不当な表示をすることで消費者に誤解を招くようなものを規制した法律です。
品質を優れているように見せる、お買い得に思わせるといったことを禁止しています。

商品のパッケージやお店の看板だけでなく、テレビやラジオのCM、インターネット広告、セールスの電話などもこの法律の規制対象です。
最近は、インターネット広告で不正な表示が行われるケースが多く、問題になっています。

根拠がはっきりしないキャッチコピーなども、景品表示法の規制対象です。

ノベルティにも景表法?


ノベルティグッズにも景品表示法が適用されるかどうかですが、答えはYESです。
景品類の範囲はかなり広く、その定義にはさまざまなものが当てはまります。

粗品やおまけとして考えられるノベルティグッズは景品類の定義に該当するため、景表法が適用されるのです。

景品類の定義は、

・お客様をお誘するための手段として
・事業側の供給する商品・サービスの提供につける物
・物品・金銭その他の経済利益

となっており、一部のノベルティも当てはまります。
そのため、消費者にノベルティを配る際は、景表法に気をつけなくてはなりません。

ただ景品表示法の区分にはオープン型とクローズ型があります。
景表法が適用されるのは、商品購入や来店など景品を配る際に前提条件のあるクローズ型です。

商品購入や来店など景品を配る際に前提条件がないオープン型の場合は、景表法は適用されないことになっています。

景品表示法における景品


景表法では商品の購入やサービスの利用を前提とした「懸賞」を3つに分類しています。
懸賞というとハガキやインターネットで応募するものというイメージがあるかもしれませんが、消費者庁によると、懸賞は「抽選やじゃんけんなどの偶然性、クイズへの回答の正誤、作品の優劣の方法によって景品類の提供の相手方または提供する景品類の価額を定めること」と定められています。

一般懸賞


一般懸賞とは商品を購入した人やサービスを利用したい人に対して、クジなどの偶然性やクイズなどの特定行為の優劣によって景品を提供することをさしています。

偶然性はクジ以外にじゃんけんなどがあります。
特定行為に当てはまるのはポイントを集めての応募や、ゲームで獲得した特典などです。
偶然性や優劣によって、配布する景品にランクが決められています。

例えばシールを集めた枚数によって、応募できる商品が異なるというようなものです。
一般懸賞の場合、景品の限度額は、購入した商品や利用したサービスの額(取引価格)によって定められています。
購入した商品や利用したサービスが5,000円未満の場合、景品類の最高額は取引価格の20倍です。
たとえば3,000円の商品に対しては、6万円までの景品を用意することができます。

購入した商品や利用したサービスが5,000円以上の場合は、景品類の最高額は10万円となっており、取引価格に応じて変動するものではありません。
景品類の総額は、売り上げ予定としている総額の2%までと決められています。

共同懸賞


共同懸賞とは、複数の企業や事業者が共同で行う懸賞のことです。
共同懸賞の代表的なものとしては、地域の商店街や複合商業施設で行われるクジや福引があります。

共同懸賞に参加しているお店の商品購入やサービス利用があった際に、景品類を提供します。
共同懸賞の場合の最高限度額は、30万円です。
共同懸賞の場合はいくらの取引価格であっても、景品の最高限度額は変わりません。

景品類の総額は売り上げ予定としている総額の3%までと決められています。

総付景品


総付景品とは商品を購入した人やサービスを利用した人、またはお店やイベントに来店・来場した人全員に景品類を提供するものです。
ジュースやお菓子のキャンペーンで総付景品が利用されることも多く、商品についていることから「ベタ付け」という言い方をすることもあります。

お店に来店するたびに貯めることができるポイントも、総付景品のひとつです。
また「もれなく◯◯がもらえる!」というキャンペーンも、この総付景品になります。

総付景品の場合の最高限度額は、取引価額が1,000円未満の時に200円、1,000円以上の場合は、取引価額の20%までと決められています。

違反するとどうなる?


景表法に違反するとどのような罰則があるのでしょうか。
5つのペナルティを紹介します。

1.行政処分


消費者庁による行政処分は、2つあります。

・措置命令

景品の内容が景表法に違反しているのではないかという通報があった場合、消費者庁が調査を行い、問題の疑いがあれば企業に対して事情聴取が行われます。
企業はその場で言い分を主張することができ、言い分が認められれば行政処分は行われません。

事情聴取で問題があると認められた場合は、消費者庁による行政処分が行われます。

その1つが措置命令です。
措置命令では消費者庁は企業に対し、違反のあった表示を正しいものに変更することや、今後同じことが起きないようにするための対応策を講じます。

・課徴金の納付命令

景表法には景表法を違反したことで、稼いだ金銭に対し、課徴金を納付する命令を行います。
措置命令のペナルティだけでは、ほとぼりが冷めた頃にまた同じように違反を行ってしまう企業が出てくるのを防ぐためです。

企業は消費者庁に対し、景表法に違反していることを知らなかったという弁明を行うことになります。
この弁明が認められれば、課徴金の納付義務は発生しません。

ただ弁明が認められなければ措置命令だけでなく課徴金の納付というペナルティも課されます。
納付義務が発生した場合、課徴金は稼いだ金額の3%に相当する金額を、過去5年まで遡って計算されます。

例えば、直近1年で景表法違反をして2,000万円稼いだとします。
この場合、1年分の課徴金は60万円になりますが、過去3年も同じように稼いでいた場合は180万円の納付義務が発生するのです。

課徴金には課徴金の免除や減額が行われる「リーニエンシー制度」というものがあります。
これは消費者庁の調査前に景表法違反を自己申告した場合か、発生した利益を所定の方法で消費者に返金した場合に免除や減額が行われるものです。

2.刑事罰


消費者庁から措置命令を受けたにも関わらず、その命令を無視して景表法違反を続けた場合は、刑事罰のペナルティが発生する場合があります。

刑事罰の場合は最大で、2年の懲役もしくは最大300万円の罰金です。
または、その両方が科せられる場合もあります。

3.警告


企業側に正当な理由がないにも関わらず景表法を違反している疑いがある場合、消費者庁は企業に対して警告を行うことができます。
この警告は企業に対して、必要な措置を取るように勧告するものです。

警告は行政処分ではなく、行政処置に当たります。
そのため警告に応じなかったとしても不利益な扱いを受けることはありません。

しかし、消費者庁は警告に応じないということを公表することができます。
消費者にも警告を無視していることが知れ渡ってしまうため、結果的には企業のイメージダウンになってしまうでしょう。

4.損害賠償請求


景表法の違反によって第三者に損害があった場合は、不法行為とみなされることがあります。
その違反が不法行為として認められた場合は、損害を被った第三者は企業に損害賠償請求が可能です。

損害賠償請求があると、法的に決められた額を支払わなくてはなりません。

5.差止請求


企業が景表法違反の行為が認められた場合や、違反する可能性がある場合、適格消費者団体は、その行為を停止措置や違反を予防するための措置を取る差止請求ができるということが消費者契約法によって定められています。

内閣総理大臣が認定している消費者団体を適格消費者団体と呼びます。

どのペナルティでも消費者のイメージダウンに繋がる


以上のように5つの罰則があり、その罰則の重さはさまざまです。
ただどの罰則を受ける場合でも、景表法違反をしたということが消費者に伝われば企業のイメージは確実に悪くなってしまいます。

罰則の重さを考えるのではなく、景表法を違反しないためには景表法の内容をしっかりと把握しておくことが大切です。

ノベルティを配布する際は景表法を確認しよう


【まとめ】
消費者に企業や商品をPRすることができるノベルティは、広告の1つとして有効な手段です。
しかしクローズ型でノベルティを配る場合は、景表法が適用されるため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

今回、主な罰則も紹介しましたが、罰則を受けると経済的なダメージを受けるだけでなく、消費者から敬遠されることにもなってしまいます。
ノベルティの配布を考えている場合はまず景表法の内容をしっかりと把握し、違反しないように気をつけましょう。